子育てや教育をしていて気になる言葉の中に『ほめて伸ばす』があると思います。このことについて、行動分析学の【弱化・強化】とモデリングの観点で考えていこうと思います。
弱化・強化から考えると
これは、行動分析学の、ABC原理から来ています。この後、簡単に説明していきます。
弱化・強化とは
まず、弱化・強化って何?
弱化・強化とは
オペラント行動とは、その行動が生じた直後の、刺激の出現もしくは消失といった環境の変化に応じて、頻度が変化する行動をいう。
オペラント条件づけは、オペラント行動が自発的に行動された直後の環境の変化に応じて、その後の自発頻度が変化する学習をいう。
古典的条件づけとは異なり、オペラント行動には行動を“誘発する”生得的な刺激(無条件誘発刺激)は存在しない。オペラント行動では、生物が自発的に行動する。
また、オペラント (operant) とはオペレート(動作する operate)からのスキナーによる造語である。強化(reinforcement)オペラント行動の自発頻度の高まりをいう。弱化(punishment)オペラント行動の自発頻度の低まりをいう。
Wikipedia
簡単にいうと、
- 強化・・・子どもなどの行動に対して、反応して(ほめる・報酬など)、行動が増える。
- 弱化・・・子どもなどの行動に対して、反応して(叱る・罰など)、行動が減る。
となります。
じゃ、して欲しい行動には、ほめて
してほしくなく行動には、叱ればいいってことか!
となりそうですが、少し違う点があります。
叱っても、行動が減らない?
赤ちゃんを育てている人は実感しやすいと思うんですが、子どもが親にとって、してほしくないことをした時に注意をしても、むしろ、注意されたことで、もっとしてしまうことってありませんか?
我が家では、毎日のようにあります。笑
これは
子どもの行動が、親の関わり(注意)を引き出したことになります。これは、子どもにとって喜ばしいことになります。
そんなの赤ちゃんだけだろ!
これらの行動は無意識が引き起こすこと(関わりが足らないなどの要因)で起こると思われるので、小学生や中学生でも起こりうると思います。
じゃどうするの?
反応しないってことになります。そうすると、この行動では、自分の要望(関わり)は得られないとなるからです。
『ほめて伸ばす』に置き換えると
これらのことから簡単にまとめると
・親や教師が求めている行動に対しては、反応して、その行動を増やす。
・親や教師が求めていない行動には、反応しないで、その行動を減らす。
となります。
一日や一時間あたりの行動数には、限界があるので、
強化する前では
普通の行動が6割ですが
強化していくことで、望ましい行動を増やし、
その他の行動をする機会を減らすことになります。
『策略-ブラック学級づくり 子どもの心を奪う!クラス担任術』より
この書籍の中で2:6:2理論が出てきます。2はふさわしい行動をする子・6は普通の行動をする子この子たちを大切にしましょう。そうすると学級経営が上手くいきます。ということが出てきます。
これもクラス全体で見た、望ましい行動に対して反応することで、望ましい行動が増えることになると、弱化・強化で説明できますね。
モデリングから考えると
モデリングとは
心理学においてモデリング(英: Modelling)とは、何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て同じような動作や行動をすることである。
Wikipedia
となります。手本を見つけて、それを真似ていくことになります。「
『ほめて伸ばす』に置き換えると
ほめることによって、子ども当人、他の子も関わらず、何がいいのかわかることによって、子どもたちは、望ましい行動に向かっていくようになります。
応用:ほめの三段ロケット
学級等で使うとクラス全体に良い行動を広める方法があります。それが、ほめの3段ロケットです。
- 望ましい行動をしている子をほめる(〇〇ができたね。)
- それに刺激された子をほめる。(何がいいか分かってできたね。)
- クラス全体ができることで、ほめる。(クラスみんなできたね。)
まとめ
このように、良い行動が何かをわかるようにし、(モデリング)その行動を増やせるように反応する(強化)ことで、望ましい行動を増やすことになるのが、『ほめて伸ばす』になります。
しかしこのほめるにはデメリットもあるんです。今度はこのことについてまとめたいと思います。
最後に、自分は、大学で保育・幼稚園も学習し、教員として困っていた時期教育・子育て・心理学・脳科学等を勉強することで成長できました。
その時の内容や今でも勉強した、育児や教育に生かせそうな内容をブログやTwitterで発信しているので、フォロー等してくださると嬉しいです。
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