自分は、大学で保育・幼稚園・小学校の教育について勉強し、小学校教員として10年以上勤務しました。また、幼児の双子の息子と乳児の娘の父になり、育休も取得し育児に関わっています。
教師として、色々な学校に転勤したり、研究授業に行ったりしましたが、私がいる自治体で行われている問題解決的学習が今の小学校に合わないと思っています。ただ、私は、初任者として教師になったときに、教えて考えさせる授業に出会いました。十数年実践してきましたが、この授業スタイルの方が現実的だと思っています。
実際、自分が担当した学級は多くの学級で、達成率が高くなったり、全国平均を超えたりしていました。大事なとこはそこだけではないでしょうが、一つの参考になればと思います。
教えて考えさせる授業とは
教えて考えさせる授業は、東京大学の心理学者である市川伸一先生によって提唱されたアクティブラーニングの手法です。伝統的な教授型の授業と異なり、生徒たちに問いかけや課題を与えて自分で考えさせるアクティブな学習スタイルです。また、問題解決的な学習と違い、一番大事なことは教師が教えるので、子どもたちが迷子になりにくい学習スタイルになります。そして、教師がファシリテーターとしてサポートし、生徒たちの自主性や問題解決力を促進します。学力の定着がしやすく、興味を引き出しやすいため、柔軟性があります。教育現場で注目を集める手法です。
授業展開は
- 予習(教科書などを読み本時の内容について自分なりに解き方等を考える)
- 教える場面(教師との対話や視覚的情報を基に本地の学習に必要な情報や解き方について知る)
- 理解確認問題(教師の説明などを基に本時の課題に取り組む。解いた後に、友達同士で説明させることで、理解を確認させる)
- 理解深化問題(子どもが勘違いしてそうな内容や発展的な問題に取り組むことで多様な考えに触れたり、より深い理解できるようにする)
- 振り返り
という流れで授業が進められます。
教えて考えさせる授業のメリット6
授業時間のコントロールがしやすい
教えて考えさせる授業のメリット一つ目は、授業時間がコントロールしやすい点が、教えて考えさせる授業の最初のメリットです。子供たちの発想に任せると時間がかかることが多く、想定した時間内に授業を進めることが難しくなることがあります。しかし、教えて考えさせる授業では説明の部分で教師主導による進行が行われるため、時間の想定がしやすくなります。特に小学校教育などの決まった内容を指定の時間内で行う場合には向いています。
学力の定着がしやすい
教えて考えさせる授業のメリット2つ目は、学力の定着がしやすい点です。問題解決的な学習では最初に自分なりの解き方を考えることが求められますが、間違った解き方を考えてしまうと修正が必要になります。この修正に時間がかかるだけでなく、新しい意見を入れ込むことも難しくなります。それに対して、教えて考えさせる授業では最初から正しい方法やゴールを想定した解き方を教えることができるため、学力の定着がしやすいと言えます。
また、問題解決的学習では多くの友達の意見を聞いてそれを整理統合しながら、できるようなら自分の意見も発表します。これはとても難しいことです。その点教えて考えさせる授業なら基本的に先生の説明を聞くので、集中して話を聞くことができます。そして、先生は全体の理解度に応じて、説明を加えたり、集中を促すことができます。
アウトプットに重点を置いている
教えて考えさせる授業のメリット3つ目は、アウトプットに重点を置いた授業である点が挙げられます。教えて考えさせる授業では、インプット(教える側の情報提供)だけでなく、アウトプット(生徒の発表や回答などのアクティブな出力)の重要性が強調されます。アウトプットの質を高めることによって、学習の効果が高まるとされています。例えば、理解したと思っていても、出題のされ方によって理解を深めることができたり、漢字練習よりも検索練習を行う方が記憶に定着したりするなど、アウトプットが学習の理解を深める効果が期待されます。アウトプットが多いから、評価にも活かしやすいですね。
教えて考えさせる授業は学習方略に着目した授業
メリット4つ目は、学習方略に着目した授業であるという点も重要です。この授業法は認知心理学の面から作られており、学習方略をどのように身に付けさせるかが重要視されています。学習方略を身に付けた児童は学習において後々伸びるという研究結果も示されています。(https://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey-on-learning_06.pdf)そのため、学習方略をしっかり身に付けさせるためには教えて考えさせる授業が効果的であると言えるでしょう。
学力の2極化などに対応しやすい
メリット5つ目は、学力の2極化などに対応しやすい点です。。問題解決型の学習では中間層の児童に合わせる必要があることが指摘されています。しかし、現在は学力の2極化が進んでおり、中間層だけに合わせると学力の偏りが生じてしまうことが懸念されます。一方、教えて考えさせる授業では教える場面と理解確認場面で低位な児童に合わせつつ、理解深化問題では高位な児童に合わせることで、学力の2極化に対応できる可能性があります。
教えて考えさせる授業の汎用性が高い
最後に、教えて考えさせる授業の汎用性が高い点について述べましょう。問題解決学習は児童の経験に合わせてカスタマイズする必要がありますが、教えて考えさせる授業では教師主導による説明が行われます。これにより、様々なクラスや環境において教師がしっかりと説明すれば、多くの児童が理解できる可能性が高まります。また、教える内容を低位な児童に合わせることで、どのクラスの実態にも対応できるという柔軟性もあります。
まとめ
以上が教えて考えさせる授業のメリットについての解説です。学力向上や学習方略の身に付けに効果的であり、学力の偏りにも対応しやすいなど、多くの利点があります。教育現場において、より良い学習環境を提供するためにも教えて考えさせる授業を取り入れることが検討されるべきでしょう。
最後に
この教えて考えさせる授業についてより知りたい人は
などの本を読んでいただいて勉強していただければと思います。
最後に、このブログが学級経営に役立つ情報や示唆を提供できていればいいなと願っています。一緒に頑張りましょう!
最後に、自分は、大学で保育・幼稚園も学習し、教員として困っていた時期教育・子育て・心理学・脳科学等を勉強することで成長できました。
その時の内容や今でも勉強した、育児や教育に生かせそうな内容をブログやTwitterで発信しているので、フォロー等してくださると嬉しいです。
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